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本を読もうよ。

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プロフィール

森乃あさ 

Author:森乃あさ 
児童文学を書くことが好きな、人に言わせると、
まめなB型。そして山ガール。
フルマラソンはじめました。

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てっぺんの上

ほん

「てっぺんの上」
            イノウエミホコ 作
            スカイエマ   絵
            文研出版

~あらすじ~ ネタバレあり

 小5の始業式、母が家を出て行った。
エナは母にひどいことを言ってしまったと悔やんでいる。
父の工場がつぶれ、職探しに出た。エナはおばあちゃん
の家で暮らすことになった。

お話を書くことが好きなエナ。お友達も楽しみにしていて
くれる。イラストを書くのが好きな亜美という友達もできた。

エナは、おばあちゃんちの近くのスーパーである少年と
出会う。エナと同じ食品を買っているのが気になった。

亜美に誘われ、家へ遊びに行く。素敵な家、お菓子を
作りながら仲のいい親子の姿にエナは胸が苦しくなる。
母を思い出し、それを振り切るように頭を振る。
いつのまにか頭を振るのが癖になっていた。

少年は自分の家は印刷屋だと言い、印刷した本を
見せてもらにいき、ある郷土の歴史の本から自分の
名前の由来を話す。そして獅子王が最強の敵と
戦う前に一人で登った勝頂山の話をする。

亜美とぎくしゃくし始めるエナ。エナはずっと友達と
深い話をするのを避けてきた。人と人は近くなれば
なるほどケンカが増えるから。両親のように。
おばあちゃんに感情を爆発させるエナ。

父が来る日、少年と勝頂山へ登る。自転車で二時間半。
そして二時間以上たっても頂上にはたどり着けない。
こんなしんどい思いをしてまで何が見たい?
それを見たら何かを変えられるのだろうか?

頂上から見た景色は、あまりにも普通だった。
「ふつうだけど、気分はいいよ。てっぺんだからかな」
「この風景はてっぺん限定なんだ。しっかり見とこうぜ」
風が吹いて、エナは目を閉じた。
再び目をあけた時、さっきまでふつうだった景色が、
キラキラ輝き、生き生きと目の前に迫ってきた。

少年がいてくれたから気づけたこと。ひとりでは思いも
つかなかった。人と人って、近づくことでこんなふうに
いいこともあるんだな。

エナは自分の名前の由来を聞き、両親が本当に仲よし
だった証だと思った。これからはもう、頭を振ったりしない。
母は戻ってこないが、エナを嫌いになったわけでは
ない。会いたいと思えば会えるのだから。


~感想~

母が家を出て行ったというショッキングな始まり。150ページ
弱の短い話だが、とても読み応えがある。

辛い日常を物語を書く楽しみに支えられながら明るく
過ごしているエナの強さに魅かれる。

似ている境遇の少年との出会いから、人と人って近づくことで
いいこともあるんだ。少女のピュアな部分にほっとする。
頂上から見た景色が普通だったところがリアルで面白い。
でも、心の眼で見ると、違った景色に変わっていったところ、
私も年を重ねていっても、ピュアな心の眼を持ち続けていたい
と思った。

ほん

本の装丁がいいなと思った。後ろ側を見ると、
ひとつの風景になっていた。

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ゲンじいとかっぱ

ほん

「ゲンじいとかっぱ」  紙芝居  12場面
            脚本 平方浩介
            画   福田庄助

~あらすじ~ネタバレあり

ゲンじいのしりこだまをとろうとする河童のカンペイ。
失敗して、たらいにいっぱい魚をとってきたら
許してやるといわれ、とってくる。

夏になり、じいのまいたきゅうりが実り、
畑に忍び込むも、カンペイはじいに見つかってしまい、
おしおきをうけ、またもや、たらいにいっぱい魚を
とってきて、許してもらう。

秋になり、釣りをしていたじいにいたずらをして、
つかまってしまうカンペイ。

ココから原文--------------

ゲンじい 「へっへえー。
       またまたおまえかよ。
       それでも、二どが、三どとなると、
       おめえのつらもかわええな。
       四どめにあうのがたのしみじゃ。
       さて、こんどもたらいいっぱいの
       さかなじゃが、ええか。」

カンペイ 「ええとも、ええとも。
       とってくる。とってくる。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーココまで

冬ー。ふとゲンじいの夢をみて、なつかしくなった
カンペイは、たらいいっぱいの魚をもって、じいの
うちをたずねる。

ところが、じいはかぜをひいて、ねていた。
じいもかんぺいのゆめをみていたのだ。

それからカンペイは、おかゆを作ったり、じいの看病をする。
カンペイはやっぱりきてよかったと思う。

~感想~

いい話だなと思った。
ゲンじいとカンペイのセリフもいいし、
三度の繰り返しが面白い。

ラスト、仲良くなるのだが、ふと、新美南吉の
「ごんぎつね」「てぶくろを買いに」を思い出した。
人間と動物は仲よしではない。
「ごんぎつね」では、最後までごんのしたことは報われず、
ついに兵十にてっぽうで撃たれてしまう。
「てぶくろを買いに」では、運よく子狐は、てぶくろを買うこと
ができたが、母狐は「ほんとうに人間はいいものかしら。
ほんとうに人間はいいものかしらで終わる。
ファンタジーの中にもリアリティがある。
というか、作家の考え方のちがいか。
「ゲンじいとかっぱ」では、かっぱという架空の生きものだけど。

【尻子玉】しりこだまについて
肛門にあると想像された玉。 俗信に、河童(かつぱ)が抜くというもの。
                           Weblio辞書

この紙芝居は、第30回五山賞受賞です。(1991年)

五山賞とは、教育紙芝居生みの親、高橋五山の業績を記念して創設され、
出版された紙芝居の中から優秀な作品に贈られるそうです。




ハリー・ポッターと賢者の石

本

「ハリー・ポッターと賢者の石」
            J・K ローリング 作
            松岡 佑子    訳
            静山社
            1999年12月8日初版第一刷発行
            2000年12月2日初版第一二七刷発行

~あらすじ~ネタバレあり

 ハリーは十一歳の誕生日に魔法界の使者、ハグリットにより、
魔法使いであることを知り、ホグワーツ魔法学校へ行くことになる。
 親戚の家では、誕生日も祝ってもらえず、いとこのお古を着て、
充分な食事、部屋も与えてもらえず、いないも同然の暮らしだった。
 ところが、ホグワーツでは、ハリー・ポッターは有名人。
 ロン、ハーマイオニーとともに、難事件を解決するシリーズ第一巻。


~感想~

1999年、発売とともに購入した。
夢中になって読み始めたのは、もう20年以上も前とは……。

 455ページもある分厚い本、ファンタジーをわくわくしながら
読んだことを思い出す。
 親戚の家で、ハリー宛ての手紙が、ハリーの居場所が変わるたび、
住所が変わり、どんどん増えて、ついには百通以上も届き、親戚
一家があたふたするところ。ダイアゴン横町。九と四分の三番線。
組み分け帽。ホグワーツでの食事や蛙チョコ、百味ビーンズ。
クィディッチ。みぞの鏡。……。
 例のあの人の登場は、どきどきした。
 20年、年を重ねても、私はわくわくしながら再読した。
そのことがうれしかった。安心したのかも。

 あとがきに「1997年、ハリー・ポッターシリーズの第一巻がイギリス
で出版されだが、実は最初に書き終えたのが、第七巻の最終章だった」
とある。
 改めて読むと、この第一巻では、設定がとても丁寧に書かれてある
と思った。たとえば、三人の友情。
 ハリーとロンの出会いは、これから出発するロンドンのキングズ・クロス駅。
九と四分の三番線が見つからないハリーの後ろを通り過ぎた一団。太った
お母さん、赤毛の女の子。赤毛の四人の男の子の中にロンはいた。
 そして、汽車は滑り出し、ハリーがいたコンパートメントにロンが現れた。
「ここ、空いてる?」

 ハーマイオニーはその後、カエルに逃げられた男の子(ネビル)とともに、
そのコンパートメントに現れる。
「誰がヒキガエルを見なかった?……」
 ハリーとロンはすぐに仲良くなったけど、ハーマイオニーとは時間が
入った。そして特別な経験によって、三人は友達になっていく。

 ハリーの両親はなぜ亡くなったの? 例のあの人とは? 
なせハリーは、例のあの人の力が及ばなかったの?
なぞは多い。私は第七巻まで購入したが、全て読んでいない。
少しずつ読んでいこう。
 

チキン!

ほん

「チキン!」     いとうみく     作
            こがしわかおり  絵    
                   文研出版 

第63回青少年読書感想文全国コンクール、
小学校高学年の部の課題図書

~あらすじ~ ネタバレあり

小6の日色 拓のクラスに転校してきた真中 凛。
はっきりものを言い、まちがってはいないけど、
正直、うざい。
拓のことを「チキン!」と言い、そのとおり
拓は、言いたいことも言えず、見て見ぬふりをする
「へたれな男子」だ。

凛は、家庭の事情で、おばあちゃんのところへきた。
拓が仲良くしているとなりの家の麻子さんの孫だった。

穏やかで平穏だった毎日が、凛のせいで
デンジャラスな日々となる拓。クラスの中でも
もめごとが……。

でも夏休み前に凛が引っ越していくと、
クラスメイトは少しずつ変わっていった。
拓も、なぜか前より学校が楽しいと思うように
なった。


~感想~

小6のあるあるが、同世代の読者に共感されると
思う。学校の身近な出来事が描かれているが、
凛のような子もなかなかいないと思う。

「見たいものだけ見て、見たくないものには、
目をそらして過ごしていけば、毎日はつらつら
流れていくから」
 拓の言葉だ。

へたれかもしれないけど、自分と向き合っている
純粋な拓と、子どもたちから見たらヘンな子と思う
だろうけれど家族のことや自分のこと、ちゃんと
ものを見る目をもっている凛。極端なふたりだけど、
お互いないものを認め合う。
二人で一緒にいるときの空気感がいい。

官兵衛、駆ける。

本
「官兵衛、駆ける。」  吉橋通夫
               講談社

~あらすじ~ネタバレあり

戦国の世、天下一の軍師と呼ばれた官兵衛
の少年期から小田原城へ北条氏政、氏直に
和睦を願い、降伏をすすめるまで。

~感想~

歴史に疎い私。
あるきっかけで、ヒストリーチャンネルで「まんが日本史」
をみはじめてから、少しずつ興味を持ち始めた。

信長のような気性が荒く、残忍なタイプ。
でも行動的でかっこいい。
秀吉のような人の懐に入りこんでしまうちょっと
こずるい感じのイメージ。
とは違い、特に少年、青年期の官兵衛は清々しい。

幼少期から浄土宗の僧侶・円満から学問を学び、
母が亡くなったときには、母の部屋にこもり、
母の形見の書物を読んでいたという。
武将になりたくないという萬吉(後の官兵衛)に
「そなたは才知に秀で、武勇にもすぐれておる。
武将として天下に稀な逸材」とまで言わせる。

千次との旅先で、知略で、千次やアセビ親子を救う。

一人前となり、隠居した父の代わりに小寺家の家老と
して戦いに挑み、勝利する。その後の戦いで勝利しながらも、
多くの家臣を失ったことに悲しんだ。家臣にはそれぞれに
家族がいる。
これからは家臣を死なさぬ戦い、戦わずして勝つ。
自らの道を見つけた。
45歳になったとき、秀吉の軍師として働いた。
小田原城に住む北条氏政らに城内五万の兵や、
領民の血を一滴も流すことない提案をしたのだ。

そして、嫁取りは、武将の戦略のひとつという時代、
心に想う光姫をめでたく嫁とし、その後、側室を
おかなかった。
歴史小説を児童文学寄りにわかりやすく描かれている
ので、 中、高生にもおすすめ。この作家さんにぜひ、
他の武将も書いていただきたい。

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