あさのじかん
本を読もうよ。
こねこのチョコレート
「こねこのチョコレート」
B・K・ウィルソン 作 小林いづみ 訳
大社玲子 絵 こぐま社
一年生への読み聞かせで読みました。
弟(クリストファー)の誕生日プレゼントとおかあさんと一緒に
買いにいくジェニーは4歳の女の子。
おかあさんはおもちゃ屋さんでヘリコプターのおもちゃに
決めました。ジェニーは100円を出して、お菓子屋さんでこねこの
チョコレートを買いました。はこの中にはチョコレートが8こも
入っていました。
家に帰ると、ジェニーはそのチョコレートを自分の部屋の
タンスの中にかくしました。
その晩、ジェニーはなかなか眠れません。
「こねこのチョコレート、ひとつ食べたいな。
はこの中には8匹もこねこがいるのよ。
ひとつくらい食べたって、クリストファーは気にしないと
思うな」
ベッドをぬけだし、タンスまで歩いて行って、
はこをあけ、こねこのチョコレートをひとつまみ。
ところが、おいしいチョコをひとつだけではがまん
できなくなり、またひとつ、またひとつ・・・
と、ベッドをぬけだしては、タンスに向かったのです。
さて、はこの中のチョコレートはどうなったか?
一年生のこどもたちは、わかったようです。
次の日、弟の誕生日にこねこのチョコレートの
はこをさし出したジェニー。
中はからっぽ。
でもね、ちゃんとほんわかした結末が用意されています。
その家のねこ、ティブルがこねこを産んだのです。
バスケットの中でほこらしげに喉を鳴らしている
ティブルのそばに黒くてまるいふわふわしたものが
3匹。
クリストファーはおおよろこびというお話。
ベッドから抜け出してチョコを食べに行くシーンが、
大好きです。全部食べてしまって、とうとうちょっと
気持ちが悪いなと思いながら眠りにつくところなんか
笑えます。
バレンタインデーの頃の私の『テッパン』に
なりました。
クリスマスは『大きいツリー 小さいツリー』
がテッパンです。
チョコレートと青い空
「チョコレートと青い空」
作:堀米 薫 絵:小泉 るみ子
そうえん社
第58回 青少年読書感想文全国コンクール
小中学生の部 課題図書
あらすじ
牛を飼っている専業農家の一家にガーナ人の
研修生がやってくる。弟(主人公、小5)、妹(園児)は
すぐになつくものの、反抗期真っ只中のお兄ちゃん(中2)
は、あいかわらず無関心を装っていた。
一ヶ月、一緒に暮らす間に、知らなかったガーナのこと
を知り、エリックさんの目を通して自分の生まれた場所、
農業を見ることで成長していく。
お兄ちゃんもしだいに心を通わせていく。
~私はこう思いました~
作者の家は、和牛農家。国際協力事業団を
通してさまざまな国から研修生がやってくるそうです。
その体験をもとに書かれました。
牛を世話するシーンはとても具体的です。
弟がお兄ちゃんをこっそり「かげネコ」と呼んでいる。
こそこそ隠れるいじけたネコそっくりだから。
小5の弟にとって反抗期のお兄ちゃんはそう
うつるのだろう。家族の物語としても楽しめるが、
この物語を通して知らなかったことを知ることが
改めて本の面白さだと思った。
たとえば、
ガーナってチョコレートの国だと思っていた。
子どももチョコレートをたくさん食べていると。
ところが、ガーナにあるのは、チョコレートの原料の
カカオ。カカオ畑では、おとなと一緒に子どもがたくさん
働いている。貰えるお金はほんの少し。
甘いチョコレートは高級品。
フェアトレードチョコレートって?
カカオを割る子どもの写真を見たおかあさんが、
ある日、フェアトレードチョコレートを買ってきた。
立場の弱い国の生産者を守る考え方で売られている
チョコレートだ。本の中では値段は3倍と書かれていた。
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