あさのじかん
本を読もうよ。
珈琲屋の人々
珈琲屋の人々
宝物を探しに (双葉文庫) 文庫
池永 陽 (著)
読みやすかった。
すぐに本の世界に入っていけた。
主人公は、珈琲屋のマスター、行介。
人殺しの過去を持つ無口な主人公だが、
存在感が大きい。
そして味のある登場人物。
プレーボーイの同級生に
行介の元恋人、バツイチの冬子。
(バツイチになるための理由がすごい)
このふたりの同級生は、わりと珈琲屋にいて、
この珈琲屋にあらわれる問題を抱える人の
解決法を行介といっしょに解決に協力する。
連作短編
恋敵
ヒーロー行進曲
ホームレスの顔
蕎麦の味
宝物を探しに
ひとつの結末
恋歌
この本の最後の解説に書いてあったが、
最初の「恋敵」は最後の「恋歌」につながっていく。
その構成がいい。
でも、私としては、もうひとつ、
最初に登場した、退官したもと看守の「初名先生」
が気になっていた。
「ひとつの結末」の最初の数行目の
「初名先生―いらっしゃい」で、待ちに待った感があった。
行介同様、一本気な性格。男気もある。
どんな話になるかわくわくした。
その「ひとつの結末」と、ひとつ前の「宝物を探しに」
がよかった。
えー、そうだったんだ。
と後半に胸を突く展開。
冒頭と最終話の呼応といい、この作品の
構成が、じわじわと心に効いてくる。
ちなみに第一作、第二作も同様らしい。
2014年4月よりNHK BSプレミアムでテレビドラマ化され放送されていた。
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