あさのじかん
本を読もうよ。
宮沢賢治 Ⅱ
よだかの星
よだかは、醜い鳥でした。
他の鳥はよだかの顔を見て悪口を言う。
風を切って翔けるときはまるで
鷹のようなよだかだが、そのせいで鷹からは、
名前を改めろと言われる。さもないとつかみ殺すと。
よだかは、毎晩空を飛びながら喉に入ってくる
カブトムシや羽虫が自分に殺され、
自分は鷹に殺される。
それがつらくて、星にあなたの所へ連れて行って
下さいと乞う。
いじめのような嫌な暗い気持ちにさせられるが、
ラストで一途な願いが叶うところは、救われる。
オツベルと象
オツベルは、素直なよく働く白象をこき使う。
衰弱した白象が月の忠告に従い仲間の象たちに
助けを求めると、事情を知って怒った仲間たちが
オッベルのところに押しかけ、オッベルを
踏み潰してしまった。
昔は動物は働き手だ。
よくいうことの聞く動物に貪欲な人間は
餌を減らし、さらにこき使う。
しかしそのようなことをすれば必ず
報いが来るはずだと訴えている。
グスコーブドリの伝記
ブドリはイーハトーブの大きな森で生まれた。
森は、飢饉でどうしようもない。
両親はせめて子どもたちだけでもと、自ら
命を絶った。
残されたブドリと妹。
妹はどこかからきた男に連れ去られ、
ブドリは繭から糸を作る工場で働かされる。
ところが、地震が起こり、噴火が始まり、
誰もいなくなってしまった。
ブドリはあちこちで苦労して働きながら
青年になり、火山局の技師として働くようになる。
火山の爆発をコントロールしたり、
候をコントロールして旱魃の際には雨を降らしたり、
肥料となる窒素を畑にばら撒いていったりもする。
ブドリの奮闘もあってイーハトーブの森は
変わっていった。
自分を犠牲にして、イーハトーブの人たちを
救うブドリの姿は感動ものだ。
セロ弾きのゴーシュ
ゴーシュは町の活動写真館でセロを弾く係だ。
でもとても下手で、みんなに迷惑ばかりかけていた。
毎晩ゴーシュが練習しているところに、
動物たちがやってくる。
最初は腹立たしくも、だんだん彼らの言うこと
が理解できるようになった。
動物たちがゴーシュの練習相手になってくれていた。
自分でも気づかぬうちに、ゴーシュのセロは、
いい音を響かせるようになっていった。
動物たち(鳥も)のおかげで成長していく
ところが面白い。
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