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森乃あさ 

Author:森乃あさ 
児童文学を書くことが好きな、人に言わせると、
まめなB型。そして山ガール。
最近、ハーフマラソンはじめました。

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想像ラジオ

そうぞうらじお

想像ラジオ
       いとうせいこう   河出文庫

DJアークがお送りする想像ラジオを
リスナーは楽しみにしている。
リスナーからの電話やメールに応えたり、
思い出話をしたり、音楽をかけたり、
夜中だというのに、
高い杉の木にひっかかって、仰向けになったまま、
そこからラジオを放送している。

 あの日から。
気が付いたらDJアークは、海沿いの小さな町を
見下ろす糸杉のてっぺんにいた。
仰向けになったまま。
そして奥さんの身を案じている。
想像ラジオを通して聞こえてくる沢山の人の声。
なのに奥さんの声は聞こえない。

震災後1年たち、ボランティアとして福島に
滞在した帰り、青年は言う。
「俺らは生きている人のことを第一に考えないと
いけないと思うんです。
亡くなった人たちへの慰めの気持ちが
大事なのはわかるけど、それは本当の家族や
地域の人たちが毎日やっていること。
その心の領域に俺ら無関係な者が土足で入り込む
べきじゃないし、直接何も失っていない俺らは何か
語ったりするよりもただ黙って今生きている人
の手伝いができればいいんだと思います」

別の青年はまた少し違うことを思う。
それぞれが、直面した悲しみを抱えていた。

そしてあの日から。
死んでも、成仏できずにいる魂。
生き残り、悪夢にうなされる者。
遠くで心を痛めている者。
忘れ去られていく現実。

こんな風に考える者もいる。
「亡くなった人はこの世にいない。
すぐに忘れて自分の人生を生きるべきだ。
いつまでもとらわれていたら生き残った人の時間
も奪われてしまう。
でも、本当にそれだけが道だろうか。
亡くなった人の声に時間をかけて耳を傾け
悲しんで悼んで、同時に少しずつまえに
あるくんじゃないのかな。
死者とともに」 

ーーーーーーーーー
震災文学の ひとつ。
他にもご紹介。
玄侑宗久が『光の山』  
絲山秋子の『忘れられたワルツ』

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