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プロフィール

森乃あさ 

Author:森乃あさ 
児童文学を書くことが好きな、人に言わせると、
まめなB型。そして山ガール。
最近、ハーフマラソンはじめました。

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月にハミング

つきにはみんぐ

「月にハミング」
    マイケル・モーパーゴ   
 
本当にあったルシタニア号の悲劇(1915年)を背景に
描かれている。

ふね

ルシタニア号の撃沈
5月7日の出来事です。

ドイツの無制限潜水艦作戦(敵国に関係する船舶は、
無警告で攻撃する)により、客船も攻撃の対象となり、
乗客1198名が亡くなりました。

その内、アメリカ人が128名おり、アメリカの世論が
ドイツ非難に大きく傾いていくきっかけになっています。

        サイト「100年前新聞より」 


シリ―諸島 ブライアー島で両親と暮らすアルフィは、
おとうさんと魚釣りをしにセント・ヘレンズ島へ向かう。
そこで子どもの鳴き声を聞く。
幽霊が住んでいると噂され、誰も近づかないその島で
衰弱した少女を発見し、家へと連れて帰る。

めんどうみのいいおかあさんと、その家族に囲まれ、
少女の体はよくなっていくものの、ベットからでようとしない。
しゃべらない。アルフィは少女にさまざまなニュースを
聞かせるが、ずっと無表情のままだった。

週に1度来てくれる医師のアドバイスにより、
蓄音器で音楽を流すと、少女は毛布にくるまり、
テディベアを抱え、蓄音器のあるみんなのいる部屋
に降りてきて、「ピアノ」としゃべった。

蓄音器の操作を話すうちに、或る時から少女は
真剣に話を聞くようになり、実際やらせてみると、
手慣れたものだった。

少女は、四六時中蓄音器の番をし、あいかわらず誰とも
口をきこうとしないが、家族と一緒に生活しているという感じ
が強くなった。

おかあさんのパンづくりを手伝ったり、アルフィについて外に出て、
めんどりの世話もした。食欲もでてきた。

少女はよく月に向かってハミングをしていた。
ある晩は、アルフィもいっしょに。

或る霧の濃い朝、島で一頭しかいない気まぐれでやっかいな荷馬 
ペグがめんどり小屋にやってきた。少女は馬から目が離せない。
翌朝、アルフィが学校に行っている間に、少女がいなくなった。
島のみんなで捜すも見つからない。
アルフィのおじさんビリーが見つけ、ずっと面倒を見ていたのだ。
人を乗せないペグの背に乗ってあらわれた少女にみんなは驚いた。

ペグのおかげか、音楽の効果か、少女は、しゃべりはしないものの、
笑顔をみせるようになったり、おどおどする感じもなくなり、
みちがえるほど変わった。

ところが、アルフィの学校の校長が、少女を学校へくるように
という。もし通学させないのなら、しかるべき筋に通報する。
少女は海が怖い。学校に行くには、舟に乗らなければならない。

新学期、その朝は大潮のせいで学校へ向かう島まで水が
少なくなっていた。少女はペグに乗り、学校へ行くことができたのだ。

しゃべらない少女は、アルフィとは違うナイチンゲール先生の
幼児のクラスになった。

二日目、大潮は終わり、少女はアルフィと舟に乗って学校へ行く。
教室で朝会が始まった。ナイチンゲール先生がピアノを弾き、
みんなで賛美歌を歌う。その後、校長が最後のお祈りを唱え始めると、
少女は前に出て、ピアノの前に座った。モーツアルトをとても上手に
弾いたのだった。校長はカンカン。しかし、その行動は、少女を人気者にさせた。

こうして少女はいい方向に向かい、きっとしゃべってくれるだろうと
アルフィたち家族は思っていた。
ところが、アルフィたちは村八分にされてしまう。
そして結末向けて、思わぬほうへ動き出す。

このお話は、
この少女はだれ?
どこからきたの?
いつになったら、話してくれるの?
登場人物らが思うように、読者もひきこまれていく。

少女はだれ?

読者には100ページもいかないところで、
知ることとなる。そこからさらに、どうしてあの島にいたの?
あの島でどうやって生き延びてきたの?
その真実をアルフィたちが知るのはいつ?

でもこのお話には、救いがある。
戦争さなかにあり、
少女を助けたドイツ人たち。
少女を自分の子どもと同じように面倒をみたアルファ
一家。
慈しむ愛、善意が、いたいけな少女の人生を
いい方向へと導いていったと思う。

落ち込んだ時に、アルフィのおとうさんが
アルフィにかける言葉がある。
「どんなときでも物事のよい面をみるんだぞ」

困難、絶望のなかで、ひとかけらのよい面をみて歯をくいしばる
ことができた者だけが、いい方向へ導かれるのかなと思った。


 実話
ルシタニア号の撃沈の40年前、
ドイツの定期客船シラー号がシリ―諸島で、
沈没した。その際、シリ―諸島の人々は、30名以上の
乗客を救った。この諸島の人々が生存者の命を救い、
死者は敬意を持って手厚く葬られた。
そのため、それから40年後、第一次世界大戦のさなかに、
シリ―諸島の海岸付近を航行する船はいかなるものでも
攻撃してはならないと、ドイツ帝国海軍に命令が出され、
命令は忠実に守られた。

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