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森乃あさ 

Author:森乃あさ 
児童文学を書くことが好きな、人に言わせると、
まめなB型。そして山ガール。
最近、ハーフマラソンはじめました。

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黒ねこのおきゃくさま

くろねこ

「黒ねこのおきゃくさま」
      ルース・エインズワース  作   荒 このみ  訳
       山内 ふじ江        絵

黒ねこは誰だったんだろう?
黒ねこは神さま?
神さまは、ときどき人間をおためしになるのだろうか?


おじいさんにとって土曜の晩は、特別な日だ。
一週間に一度だけ、おいしい肉のごちそうと
ミルクに浸したパンを食べる日だからだ。

ところが、とんだお客さまがやってきた。

外は雨も風も強く吹き荒れていた。
お客さまは、足は細いし、しっぽはまるで
黒いひものような、みすぼらしいねこだった。

おじいさんは、びしょぬれのお客さまをタオルで
拭いてやり、ミルクをわけてやった。
喉を鳴らしながらあっというまに飲み干すと、
黒ねこは前より大きな声で鳴いて、おじいさんの顔を
見上げ、食器棚を見た。
おじいさんは食器棚から残りのミルクをだしてやり、
パンもちぎってやった。
ついには自分の分までやってしまった。

けれど、黒ねこはたいらげてしまうと、
ひもじそうに部屋の中を見回り、
今度は食器棚の羊の肉をかぎつけた。
おじいさんは肉のはしをきってやったが、
それだけじゃ満足しない黒ねこは前より激しく
食器棚をひっかき、おじいさんは自分の分も、
ついにはスープにでもととっておいた
骨までもやってしまった。

もうなにもないとわかると、黒ねこは、暖炉の前でぬれた毛を
整え始めた。見ると黒ねこの毛はやわらかく、
ふさふさになり、、ひげはぴんとはって、しっぱはふくらみ、
さっきの2倍になっていた。

まきは2本しかなかった。火が消えると、
黒ねこが寒がるので、おじいさんは2本とも使ってしまった。
それでもおじいさんは幸せだった。
客さまはのどをごろごろならし、おじいさんは黒ねこと
一緒にいるのは、とても心地よかった。

真夜中も過ぎ、おじいさんが寝床に入ると、
黒ねこも一緒に入ってきた。毛布を巻いても寒かったのが、
黒ねこが気持ちよさそうにしていると、
おじいさんも体があたたかくなってきた。

朝になった。食べ物もなく、暖炉にくべるまきもない。
黒ねこは扉へ行くと、おじいさんは開けてやった。
外は夕べも雨もやみ、輝くような日、黒ねこはまるで
杖王さまのようにどうどうとして見えた。
そして黒ねこはいった。
「あなたのミルクもパンも肉も全部食べて、
まきも全部使わせてしまった。
どうしてわたしを追い出して、
扉を閉めてしまわなかったのですか?」
 
「おまえははらぺこで寒くてふるえていた。
体もかわてあたたかくなり、満足しているじゃないか。
おまえとわしは知らない者同士だったけれど、
今じゃあ、友だちじゃないか」

黒ねこは林の中へ消えて行った。雪が残る道に足跡はなかった。

おじいさんは家へ戻ると、さみしくなった。
ところが不思議なことに、食器棚にはミルクがあり、
肉もパンもある。まきも山のようにつまれていて、
暖炉には火がもえて、フライパンの肉がじゅうじゅう焼けていた。
その晩、寝床にはいると、夕べのように頭のてっぺんから
足のつま先まであたたかくなり、ぐっすりと眠ることができた。

それからおじいさんの家の食器棚は
からっぽになったことがないし、
まきもなくなることはなかった。

くろねこ1

おじいさんが最後の最後にとっておこうとしていた骨を
むさぼるようにかんでいる絵。

黒ねこの表情がとてもいい。

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