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森乃あさ 

Author:森乃あさ 
児童文学を書くことが好きな、人に言わせると、
まめなB型。そして山ガール。
最近、ハーフマラソンはじめました。

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うたうとは小さないのちひろいあげ

ほん

「うたうとはちいさないのちひろいあげ」  村上しいこ  講談社

第53回野間児童文芸賞受賞作

~あらすじ ネタバレご注意~

高校一年の桃子は、うた部に入部する。
部員は部長の3年生大野いと。桃子を
むりやり勧誘した2年生の清ら。
唯一の男子 水泳部にも入っている2年生の業平だ。

うた部では短歌を詠む。
短歌には
・題詠・・・題を設定して短歌を詠む。
 〈うまさを競い合う意味もあり、普段自分から進んで
取り上げない世界を詠むことで、自分の意識を
広げるといういい面がある。〉
・自由詠・・・心の内面を重視して、自然と湧き起こる
思いに重点を置いて詠む。

高校3年間、友達を作らないと決めて、
友達づくりのきっかけになる朝の挨拶すら
交わさない桃子だったが、うた部の先輩たちは
楽しい人ばかりでだんだんとけこんでいく。

桃子は、学校帰りに立ち寄るところがあった。
登校拒否をしている綾美の家だ。
綾美が学校へ行かない理由は、桃子にも
責任があると思っていた。

クラスの後ろの席の彩は、綾美を心配し、
手紙を渡してほしいという。
「引きこもりって、自分の存在を守るための
行為だと思うの。……綾美さんに合わせちゃ駄目よ。
もちろん優しさは必要だけど、感情の渦に
巻き込まれちゃ駄目」
彩にも友達のことで悔やむ思い出があったのだ。

綾美を負担に感じながらも、ほっておけない桃子。
ピク短(ピクニックに行き、そこで短歌を詠む)へ
誘ったら、うた部へも誘ってみたらと、清らさんに
言われ、声をかけてみるも、断られる。

綾美はどうしようもない心の内をブログに
ぶちまけていた。
家に寄ってくれる桃子には感謝しているが、
自分を傷つけた一人として、当然のことのように
思ってもいた。綾美はうた部に入って楽しそうに
している桃子が羨ましい。自分は殻の中から
出ることができないから。

そんな二人をうた部のメンバーが優しく見守る。
綾美が学校へ来るようになったのは、
うた部へ行くためだった。もともと国語が得意
な綾美は頭角をあらわしていく。

短歌甲子園への切符を手に入れる、
県大会予選が始まった。
一回戦、題詠 いと先輩
     自由詠 桃子、綾美
     連歌   清らさん、業平先輩

見事に勝利し、二回戦。
     題詠 いと先輩
     自由詠 清らさん、業平先輩
     連歌  桃子、綾美

「うたうとは 小さないのち ひろいあげ」
桃子が詠んだ上の句に対して、
綾美は・・・・・・
そのとき、
「あの子、引きこもってたんじゃないの?」
と、静まりかえった教室に小さな声が響いた。

綾美は下の句を詠むことができず、
負けてしまった。

その日の夕方、大会の打ち上げと、
いと部長を送る会が始まっても、
綾美は姿を現さない。

迎えに行けばよかったと悔やむ桃子の
携帯電話に綾美から発信があった。
みんなで綾美を迎えに行く。

綾美は、桃子の素敵な上の句に自分で納得のできる
下の句をつけたかった。と言う。
今まで生きてきた中で、一番幸せだった思い出の
場所で、下の句を詠んだ。

「うたうとは 小さないのちひろいあげ
       宇宙へ返すぬくもりをそえ」

 ~感想~

・引きこもりと、短歌。引きこもりの少女を短歌を詠むうた部の
メンバーが救った。誰しも居心地のいい場所が必要だと思った。
・短歌甲子園のところは、もっと描写が
あってもいいと思った。
・「あ、でもほんと。みんな、なんて優しいんだろ。
自分が持っている一番やわらかで心地よいクッションを
、いと先輩の心にあてがおうとしている」
いい表現だなと思った。
・「人間なんて、自分だけでなんとかできる器用な
生きものじゃないから。人間に必要なのは、出会いと
別れが、ちゃんと共存している場所なんだ。
そこでいろいろな喜怒哀楽と関わっていく。…
短歌とは、人の心を種として、万の言の葉とぞ
なれりける。・・・。しかし種だけじゃだめだ。
種が空気や水、土や養分や日の光と関わり合って、
初めて目が出て言の葉となる。また傷つくかも
しれないが、癒されることもある」
 ここも好きだなあ。




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