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プロフィール

森乃あさ 

Author:森乃あさ 
児童文学を書くことが好きな、人に言わせると、
まめなB型。そして山ガール。
最近、ハーフマラソンはじめました。

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明日のひこうき雲

本

明日のひこうき雲    八束澄子
               ポプラ社

ミュンヘン国際児童図書館が刊行する
国際推薦児童図書目録「ホワイト・レイブンズ2017」
に掲載されました。


~あらすじ~ネタバレご注意

母親は鬱で引きこもり状態。
食事をつくってくれないときもある。

父親は、出帳中。帰ってくれば、両親は
お金のことでけんかばかり。
中2の遊は、空腹といらいらをどうすることも
できず、晴れない日々を過ごしていた。

そんなある日、恋バナにも興味がなかった
遊の目にとびこんできた少年の目。

金城 哲(キンちゃん) 同じ中2 サッカー部

遊は、サッカー部のマネージャー志望のあさみ、
親友の満里とともに、おしかけマネージャーになる。

サッカー部の顧問にはマネージャーと認められなくても、
三人は部室のそうじから始める。
あさみが好きなのは、時期キャプテン候補の福山くん。
クールなあさみもだんだんと遊たちとうちとけていく。

キンちゃんを好きな気持ちがます一方、家の中は
あいかわらず。ある日、帰ってくると、弟のダイの
様子がおかしい。39度も熱があった。
寝室で横になっているおかあさんを
起こして、近所に住むおばあちゃんに遊がお願いして、
車を出してもらい、病院へ連れて行く。幸い、
風邪からくる胃腸炎と心配なく、仲の悪いおばあちゃん
とおかあさん、も仲良く笑っていた。

マラソン大会が近づく。サッカー部は野球部に負けまいと
サッカーの練習時間をさいて、走りこみに熱が入る。
遊たちは、満里の提案で部員たちが雲取山への走りこみの
タイムを測り、みんなをもりあげ、マラソン大会当日には、
手作りのお守りを配った。

父親の会社がうまくいっていないこと、塾へ行けそうも
ないこと。遊は家庭の問題にうんざりし、
ファンキーモンキーベイビーの曲を聴く。
涙がこぼれる遊。
朝起きると、まぶたは腫れ、ひどい顔。
学校を休みたい。親と顔を合わせるのも嫌
だった。
遊は、いつもよく早く家を出ると、学校へ向かった。
キンちゃんの朝練を見に行くことにした。

キンちゃんの朝練を見に来るのも今日で三日目。
こっそり隠れて見ていた遊にキンちゃんが声をかけた。
ふたりでいっしょにトンボを引く。いっしょにキンちゃんが
持ってきたおにぎりを食べた。
毎朝、キンちゃんはおにぎりを2個持ってくる。
ある日、遊は満里にも話したことがない家庭の
事情をキンちゃんに話したのだった。

キンちゃんの朝練のない日曜日、
母親の様子がおかしい。
ダイとふたりであわてながらも救急車を呼ぶ。
ダイはおばあちゃんの家の電話番号も
父親の携帯番号も暗記していた。

あわてて病院にかけつける父親とおばあちゃん。
睡眠導入剤を飲み、さらに夜中に目が覚めて追加
して飲んでしまったという母親。
母親に対して素直に慣れない遊だが、
「生きててよかった」という母親の言葉、頼もしくなったダイ、 
今、自分の胸に渦巻いている感情も覚えておこうと
思った。
いつかそれを言葉に変換できる日がくる。
言葉には力がある。力のある言葉は自分を支えてくれるから。

サッカー部の顧問は、試合でキンちゃんのスタンドプレイで
勝利したことを、とがめた。サッカーはチームプレイ。
全体で闘って勝ってこそ値打ちがある。強引な個人プレーは
ひかえろと言った。
フォワードを外されたキンちゃん。
三日間、朝練にも来ていない。
どうにかしてキンちゃんを励ましたい遊は
大好きなファンキーモンキーベイビーのCDを
キンちゃんの靴箱にしのばせた。


キンちゃんが朝練を再開した朝、
雪が降った。
「CD、おまえ?」
「サンキュ。ファンもン好きなんや。
もうちょっと貸してな」
そう言ったものの、キンちゃんは自分に
苛立っていた。
シュートの練習をしたり、一緒におにぎりを
食べたりしたのに……。
ふたりの関係がもどかしかった。

新しい年が来た。
キンちゃんから年賀状が届いた。

サッカー部の新年会をやります。
来てください。場所はココ。

年賀状は、満里にもあさみにも来ていた。
場所はキンちゃんのおかあさんがやっている
食堂。

遊の家には、本社に戻ってきたものの、
給料が少し減ってしまった父親が毎日いた。
遊の変化に父親が気づく。

彼氏とデートか?

いつのまにか遊もそんな年ごろになったんだね。
近頃、きれいになったよね。さなぎがちょうになるって、
こういうことなんだね。
という母親。

正月といってもおせちもない遊の家だが、
久しぶりに遊の服を買いに家族で出かけた。

新年会。
キンちゃんのおかあさんの食堂は、二十二人の
男子中学生たちの汗と料理の匂いでむせかえる
ようだった。

キンちゃんのおかあさんの作ってくれた料理は、
沖縄の料理。
しっかりと血や肉になってくれる食べ物って感じがした。
毎日こんなご飯を食べているから、キンちゃんは
あんなにパワフルなんだと遊はまたひとつ
キンちゃんを発見した気がした。

キンちゃんのおかあさんと話をする遊。
おにぎりのお礼をいう遊。
キンちゃんのおかあさんの子ども時代は
遊よりもさみしく、遊は知らず知らずのうちに
泣いていた。

冬季リーグ。
キンちゃんは仲間を信じてボールを託し、
それが勝利につながった。
満面の笑みで選手たちをハイタッチで
迎えた。キンちゃんの遊へのハイタッチは
他の子よりずっと力がこもっている気がした。

試合が終わり、遊らはキンちゃんに誘われて、
キンちゃんの行きつけの駄菓子屋へ。
遊の知らないキンちゃんがそこにいた。

少しずつ少しずつ近づいていく
遊とキンちゃん。

働き始めると言う母親。父親が家へ戻ってきたら
少しずつ安定してきたのだった。
遊の家族もまた、少しずつ変化していった。


~感想~

人物がいきいきと描かれている。
14歳の遊。
勉強はしてるけど、心の中は、家の問題も
あって、不安定。
成長期の子がおなかをすかせているって、
こんな心が曲がってきちゃうんだ。

忘れかけていた思春期を思い出す一冊。
恋も友情も家族も、14歳にはどれも大事。
素直に慣れない、口に出せない感情。
それでもキンちゃんに向かってまっすぐ
につきすすむ遊にひきこまれ、読んだ。
面白かった。

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